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ウォレットのハッキング対策

公開日: 2025年10月20日 / 更新日: 2025年11月22日

ウォレットのセキュリティ

「自分の資産は自分で守る」というのが、仮想通貨の世界の鉄則です。ハッキングや詐欺によって失われた資産は、誰も補償してくれません。しかし、正しい知識を身につければ、そのリスクを限りなくゼロに近づけることができます。

この記事では、今日から実践できるウォレットの具体的なセキュリティ対策を12個、徹底的に解説します。

1. シードフレーズは神棚に飾るレベルで管理する

最も基本的かつ最も重要な対策です。シードフレーズ(リカバリーフレーズ)は、あなたのウォレットのマスターキーです。これが漏洩すれば、全資産が盗まれます。

シードフレーズ管理の鉄則
  • 絶対にデジタル保管しない: スクリーンショット、メモ帳、パスワード管理ツール、クラウドストレージ、自分宛のメールなど、インターネットに繋がる可能性のある場所への保管は厳禁です。
  • 物理的に保管する: 必ず紙に書き写し、できれば防水・耐火性のあるケースに入れます。さらに安全性を高めるなら、CryptosteelやBillfodlといった金属製のプレートに刻印するのがおすすめです。
  • 複数箇所に分散保管する: 自宅の金庫や、銀行の貸金庫など、物理的に離れた場所に複数保管することで、火災や盗難のリスクを分散できます。
  • 絶対に他人に教えない: MetaMaskなどのサポート担当者がシードフレーズを聞き出すことは絶対にありません。要求された時点で100%詐欺です。

2. フィッシング詐欺の手口を知る

偽サイトに誘導し、情報を盗み取るのがフィッシング詐欺です。X(旧Twitter)のDMやDiscordなどで、「限定NFTのエアドロップ」「ウォレットのアップグレードが必要です」といった甘い言葉で偽サイトのリンクをクリックさせようとします。

  • URLを常に確認する: 公式サイトは必ずブックマークしておき、そこからアクセスする癖をつけましょう。URLのスペルが微妙に違う(例: `opensea.io` と `openseas.io`)こともあります。検索エンジンの広告枠に偽サイトが表示されることもあります。
  • 安易にリンクをクリックしない: 見知らぬ人からのDMや、うますぎる話はまず疑いましょう。

3. 安易な「署名(サイン)」は命取りと心得る

DAppsを利用する際、ウォレットは「署名(サイン)」を求めてきます。これは「これから行われる取引を承認します」という意思表示です。しかし、悪意のあるサイトで署名してしまうと、ウォレット内の資産をごっそり抜き取られる「ウォレットドレイナー」の被害に遭う可能性があります。

対策ツールを導入しよう

Pocket UniverseやWallet Guardといったブラウザ拡張機能は、署名する前にそのトランザクションが何をしようとしているのかを分かりやすく表示し、危険な場合は警告してくれます。セキュリティを格段に向上できるため、導入を強く推奨します。

4. トークンの「承認(Approve)」を定期的に無効化する

DeFiなどで初めてトークンを取引する際、「承認(Approve)」という操作を求められます。これは、そのDApps(スマートコントラクト)が、あなたのウォレット内の特定のトークンを上限なく動かすことを許可する設定になっている場合があります。信頼できるDAppsでも、万が一そのDAppsがハッキングされれば、承認を与えているユーザー全員が資産を失うリスクがあります。

Revoke.cashのようなツールを使い、不要になった承認は定期的に取り消す(Revoke)習慣をつけましょう。少額のガス代はかかりますが、保険だと考えましょう。

5. 資産の大半はハードウェアウォレットで保管する

高額な資産や、長期保有するつもりの大切なNFTは、ハードウェアウォレットで保管するのが最も安全です。秘密鍵を「セキュアエレメント」と呼ばれる専用チップ内で完全にオフラインで管理するため、オンラインでのハッキングリスクを根本的に排除できます。

6. ウォレットを複数使い分ける

全ての資産を一つのウォレットに入れるのは危険です。「卵は一つのカゴに盛るな」という格言の通り、用途に応じてウォレットを分けましょう。

  • 保管用ウォレット(金庫): ハードウェアウォレットを使用。高額資産を保管し、普段は使わない。
  • DApps接続用ウォレット(普段使いの財布): MetaMaskなどのホットウォレット。少額の資金だけを入れ、新しいサービスを試す際に利用する。
  • ミント用ウォレット(使い捨て財布): よく知らないNFTプロジェクトのミント(発行)に参加するためのウォレット。万が一、詐欺プロジェクトだった場合のリスクを限定できます。

7. 公共のWi-Fiは使用しない

カフェや空港などの公共Wi-Fiは、通信内容を盗み見られる「中間者攻撃」のリスクがあります。ウォレットを操作する際は、信頼できるネットワーク(自宅のWi-Fiやスマートフォンのテザリングなど)を使いましょう。やむを得ず利用する場合は、VPNの利用を検討してください。

8. ソフトウェアを常に最新に保つ

お使いのブラウザやウォレットの拡張機能は、常に最新バージョンにアップデートしましょう。古いバージョンのまま放置すると、発見済みの脆弱性を突かれる可能性があります。自動更新を有効にしておくのがおすすめです。

9. ブックマークを活用し、検索エンジンを信用しすぎない

前述の通り、検索結果の上位に偽サイトの広告が表示されることがあります。OpenSeaやUniswapなど、頻繁に利用するサイトは必ず公式サイトをブックマークし、そこからアクセスするようにしてください。

10. 「うますぎる話」は100%詐欺と疑う

「有名人がBTCを配布」「このNFTを買えば必ず儲かる」「エアドロップ当選おめでとう!」など、異常に条件の良い話は詐欺である可能性が極めて高いです。仮想通貨の世界では、常に健全な猜疑心を持つことが資産を守ることに繋がります。

11. シークレットリカバリーフレーズの偽サイトに注意

ウォレットに問題が発生した際、「シードフレーズ 復元」などと検索すると、偽の復元ツールやサポートサイトが表示されることがあります。そこでシードフレーズを入力すると、全ての資産が盗まれます。復元作業は、必ず公式サイトからダウンロードした正規のウォレットソフトウェア内で行ってください。

12.【緊急時】もしハッキングされたと思ったら?

ウォレットから身に覚えのない送金があった場合、迅速な対応が被害を最小限に抑える鍵です。

緊急対応プラン
  1. 即座にインターネットを切断する: PCのWi-Fiをオフにする、LANケーブルを抜くなどして、それ以上の通信を防ぎます。
  2. 安全なデバイスから承認を取り消す: 別のPCやスマホからRevoke.cashにアクセスし、被害に遭ったウォレットの不審な承認を全て取り消します。
  3. 新しいウォレットを作成する: 安全な環境で、全く新しいウォレット(=新しいシードフレーズ)を作成します。
  4. 残った資産を退避させる: 被害に遭ったウォレットに残っている資産を、急いで新しいウォレットに送金します。この際、犯人と送金競争になる可能性があります。ガス代を高く設定して、取引が早く承認されるようにしましょう。

一度でも秘密鍵が漏洩したウォレットは、決して安全なものではありません。資産を退避させた後は、そのウォレットを永久に破棄してください。

まとめ:セキュリティは面倒なもの。でも資産を失うよりマシ

ここまで多くの対策を紹介しましたが、一言でまとめると「用心に用心を重ねる」に尽きます。少し面倒に感じるかもしれませんが、一度の油断で全てを失う可能性があるのがこの世界です。これらの対策を習慣化し、安全にWeb3の世界を楽しみましょう。