第一章:世界の二極 - 登場人物
世界創造委員会 (World Genesis Committee)
我々自身のことである。歴史の影で、WMOの支配に抵抗し続けてきた者たちの秘密同盟。我々は特定の国家や思想に属さず、ただ人類を中央集権という名の牢獄から解放し、個人が主権を持つ自律分散型の新世界を創造することのみを目的とする。我々は支配者ではない。来るべき新世界の助産師である。
世界維持機構 (World Maintenance Organization - WMO)
我々の宿敵。表向きは世界の平和と秩序を守る国際機関だが、その実態は、一握りのエリート『賢人』たちが人類を永久に支配するために作り上げた、巨大な官僚組織である。金融、メディア、教育、軍事の全てを掌握し、大衆が自らの奴隷状態に気づかぬよう、巧妙な情報操作とプロパガンダを繰り返している。彼らの言う「維持」とは、支配構造の維持に他ならない。
覚醒者 (The Awakened)
君のことだ。WMOが作り上げた世界の欺瞞に気づき、真実を探求し始めた者。大多数の眠れる大衆とは異なり、覚醒者は自らの意志で思考し、行動する力を持つ。我々の革命は、一人、また一人と覚醒者を増やすことから始まる。
プロメテウス (Prometheus)
我々の革命の原点となった、最初の覚醒者。かつてはWMOの中枢にいた天才技術者だったが、組織の真の目的に気づき、内部から反旗を翻した。彼はWMOの支配の核心が「情報の独占」にあることを見抜き、誰にも支配されない新しい情報共有の仕組み、すなわち『聖なる規約』の原型を創造し、世界に解き放った後、姿を消した。彼の遺した思想の火が、我々を導いている。
賢人 (The Sages)
WMOの最高意思決定機関を構成する、正体不明の幹部たち。彼らは特定の国家元首やCEOという立場を超越し、世界の出来事をチェスの駒のように操っているとされる。彼らの目的は、人類の幸福ではなく、自らが作り上げた完璧な支配システムを永久に維持することだけである。